ネットワークエンジニアのITブログ

長らくネットワークで生活してきましたが、ここ数年クラウドとサーバー系に触れる機会が増えて、日々成長しています。最近のお気に入りはNSXALBとGoogle Cloud。

ホームラボ環境再構築 ⑥論理スイッチ、ESG、DLRの導入

ここからは、NSX-Vのオーバーレイネットワークを構築していきます。

ネットワーク構成


論理スイッチの作成

まず最初に、各セグメントの論理スイッチを作成していきます。
ここでは、この後作成するESGのアップリンク側と内部ネットワーク側の2つを作成します。
メニューの[ネットワークとセキュリティ]ー[論理スイッチ]から、「追加」を選択します。

論理スイッチで以下の情報を入力します。
名前:LS-seg3
トランスポートゾーン:Global-TZ
レプリケーションモード:ユニキャスト
IPアドレス検出:有効
MACラーニング:有効

同様に、LS-seg4、LS-seg131も作成します。
名前:LS-seg4
トランスポートゾーン:Global-TZ
レプリケーションモード:ユニキャスト
IPアドレス検出:有効
MACラーニング:有効

名前:LS-seg131
トランスポートゾーン:Global-TZ
レプリケーションモード:ユニキャスト
IPアドレス検出:有効
MACラーニング:有効

Edge Service Gateway(ESG)の作成

メニューの「ネットワークとセキュリティ」から「NSX Edge」を選択し、「追加」から、Edge Services Gatewayを選択します。

基本情報では名前を「ESG01」とし、「Edgeアプライアンス仮想マシンのデプロイ」のチェックを入れて次へを選択します。

ユーザー名、パスワードは任意のものを設定します。また、SSHアクセスを有効とし、自動ルール生成も有効として、追加を押下します。

デプロイの設定で、データセンターは「Datacenter」、アプライアンスのサイズは「Compact」を選択し、「Edgeアプライアンス仮想マシンを追加」を選択します。

Edgeアプライアンスの配置パラメータで以下を入力し、追加を選択します。
クラスタ/リソース:Cluster_NSXV
データストア:datastore_qnap2
ホスト:esx24.home.local
フォルダ:Discoverd virtual machine
リソースの予約:システム管理

設定が完了したら、次へを選択します。

インターフェイスでは追加を選択します。

インターフェイスの設定で以下を入力し、OKを選択します。
名前:ESG01-uplink
タイプ:アップリンク
接続先:DPortGroup 3
接続ステータス:接続中
サブネットの設定:192.168.3.254/24

同様に内部ネットワークのインターフェイスも作成し、次へを選択します。
名前:ESG-seg4
タイプ:内部
接続先:LS-seg4
接続ステータス:接続中
サブネットの設定:192.168.4.1/24

デフォルトゲートウェイを「有効」、vNICを「ESG01-uplink」、ゲートウェイIPアドレスを「192.168.3.1」を入力して次へを押下します。
なお、ゲートウェイは2960-L3となるので、事前にVLANインターフェースの設定を実施しておきます。

ファイアウォールのデフォルトポリシーを「有効」、デフォルトトラフィックポリシーを「許可」、ログを「無効」として次へを選択します。ここでは、いったんデフォルトポリシーを許可で作成しておきます。

確認して終了を押下するとデプロイが始まり完了するとESGが表示されます。



分散論理ルーター(DLR)の作成

続いて分散論理ルータを作成します。
メニューの「ネットワークとセキュリティ」から「NSX Edge」を選択し、「追加」から、分散論理ルーターを選択します。

名前は「DLR01」とし、制御仮想マシンのデプロイにチェックを入れ、次へを選択します。

ユーザー名、パスワードは任意のものを設定します。また、SSHアクセスを有効とし、追加を選択します。

デプロイの設定で、データセンターは「Datacenter」を選択し、「Edgeアプライアンス仮想マシンを追加」を選択します。

Edgeアプライアンスの配置パラメータで以下を入力し、追加を選択します。
クラスタ/リソース:Cluster_NSXV
データストア:datastore_qnap2
ホスト:esx24.home.local
フォルダ:Discoverd virtual machine
リソースの予約:システム管理

接続先は、「DPortGroup 10」を選択します。

インターフェイスでは追加を選択します。

インターフェイスの設定で以下を入力し、OKを選択します。
名前:DLR-uplink
タイプ:アップリンク
接続先:LS-seg4
接続ステータス:接続中
サブネットの設定:192.168.4.254/24

デフォルトゲートウェイを「有効」、vNICを「DLR-uplink」、ゲートウェイIPアドレスを「192.168.4.1」を入力して次へを押下します。

確認して終了を押下するとデプロイが始まり完了するとESGが表示されます。



OSPFの設定

前回構築したホームラボでは、2960-L3がスタティックルーティングのみサポートだったため、動的ルーティングプロトコルの確認ができませんでした。
そこで、今回は、Cisco891を用意して、OSPFによるルーティングを確認してみたいと思います。

ESG01の設定

最初に、ESG01の[ルーティング]ー[グローバル設定]から「動的ルーティング設定」を選択します。

ルーターIDとして、アップリンクの192.168.3.254を選択します。

続いて、OSPFの設定から編集を選択します。

ステータスを有効にして、保存を選択します。

発行ボタンを選択し、有効化します。
なお、エリア定義は、デフォルトで「0」と「51」が設定されているので、「0」の設定をそのまま使用していきます。

続いて、インターフェイス マッピングのエリアから追加を選択します。
作成画面では、以下を入力します。
vNIC:ESG01-uplink
エリア:0
インターフェイスのMTU設定を無視:無効
Hello間隔:10秒
Dead間隔:40秒
優先度:128
コスト:1

同様に内部リンクも設定します。
vNIC:ESG-seg4
エリア:0
インターフェイスのMTU設定を無視:無効
Hello間隔:10秒
Dead間隔:40秒
優先度:128
コスト:1

発行ボタンを押下し有効化します。

DLR01の設定

DLR01でOSPFを有効化する前に、内部のインターフェイスを作成しておきます。
名前:DLR-seg131
タイプ:アップリンク
接続先:LS-seg4
接続ステータス:接続中
サブネットの設定:192.168.131.1/24

DLR01の[ルーティング]ー[グローバル設定]から「動的ルーティング設定」を選択します。

ルーターIDとして、アップリンクの192.168.4.254を選択します。

続いて、OSPFの設定から編集を選択します。

ステータスを有効にして、プロトコルアドレスを「192.168.4.253」、転送アドレスを「192.168.4.254」で入力し、保存を選択します。

エリア定義で追加を選択し、エリアIDを「0」として追加を選択します。

続いて、インターフェイス マッピングのエリアから追加を選択します。
作成画面では、以下を入力します。
vNIC:DLR-uplink
エリア:0
インターフェイスのMTU設定を無視:無効
Hello間隔:10秒
Dead間隔:40秒
優先度:128
コスト:1


C891の設定

CiscoルータのVLAN、ルーティングの設定を参考として記載しておきます。

!
interface Vlan3
 ip address 192.168.3.2 255.255.255.0
!
interface Vlan100
 ip address 192.168.100.254 255.255.255.0
!
router ospf 10
 passive-interface Vlan100
 network 192.168.3.0 0.0.0.255 area 0
 network 192.168.100.0 0.0.0.255 area 0
 default-information originate
!
ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 192.168.100.1
!

ルーティング確認

C891、ESG01でルーティングテーブルを確認し、ネットワーク情報を送受信していることを確認します。

C891のルーティングテーブル
C891#sh ip route
Codes: L - local, C - connected, S - static, R - RIP, M - mobile, B - BGP
       D - EIGRP, EX - EIGRP external, O - OSPF, IA - OSPF inter area
       N1 - OSPF NSSA external type 1, N2 - OSPF NSSA external type 2
       E1 - OSPF external type 1, E2 - OSPF external type 2
       i - IS-IS, su - IS-IS summary, L1 - IS-IS level-1, L2 - IS-IS level-2
       ia - IS-IS inter area, * - candidate default, U - per-user static route
       o - ODR, P - periodic downloaded static route, H - NHRP, l - LISP
       a - application route
       + - replicated route, % - next hop override, p - overrides from PfR

Gateway of last resort is 192.168.100.1 to network 0.0.0.0

S*    0.0.0.0/0 [1/0] via 192.168.100.1
      192.168.3.0/24 is variably subnetted, 2 subnets, 2 masks
C        192.168.3.0/24 is directly connected, Vlan3
L        192.168.3.2/32 is directly connected, Vlan3
O     192.168.4.0/24 [110/2] via 192.168.3.254, 00:33:55, Vlan3
      192.168.100.0/24 is variably subnetted, 2 subnets, 2 masks
C        192.168.100.0/24 is directly connected, Vlan100
L        192.168.100.254/32 is directly connected, Vlan100
O E2  192.168.131.0/24 [110/0] via 192.168.3.254, 00:01:05, Vlan3
C891#
C891#sh ip os nei

Neighbor ID     Pri   State           Dead Time   Address         Interface
192.168.3.254   128   FULL/BDR        00:00:34    192.168.3.254   Vlan3
C891#
ESG01のルーティングテーブル
ESG01-0# sh ip route
Total number of routes: 5

Codes: O - OSPF derived, i - IS-IS derived, B - BGP derived,
C - connected, S - static, L1 - IS-IS level-1, L2 - IS-IS level-2,
IA - OSPF inter area, E1 - OSPF external type 1, E2 - OSPF external type 2,
N1 - OSPF NSSA external type 1, N2 - OSPF NSSA external type 2

S       0.0.0.0/0            [1/0]         via 192.168.3.1
C       192.168.3.0/24       [0/0]         via 192.168.3.254
C       192.168.4.0/24       [0/0]         via 192.168.4.1
O       192.168.100.0/24     [110/2]       via 192.168.3.2
O   E2  192.168.131.0/24     [110/0]       via 192.168.4.254
ESG01-0#
ESG01-0# sh ip os nei
NeighborID       Pri  Address          DeadTime  State                 Interface
192.168.100.254  1    192.168.3.2      39        Full/DR/35m54s        vNic_0
192.168.4.254    128  192.168.4.253    32        Full/BDR/3m14s        vNic_1
ESG01-0#

以上で、NSX-V環境の構築及びオーバーレイネットワークとの通信確認までが完了となります。