ネットワークエンジニアのITブログ

長らくネットワークで生活してきましたが、ここ数年クラウドとサーバー系に触れる機会が増えて、日々成長しています。最近のお気に入りはNSXALBとGoogle Cloud。

VMworld 2020 Open ②

VMworld 2020の第1回目の投稿に続き、vSphere、マルチクラウド関連を紹介していきます。

vSphere 7 Update 1、vSAN 7 Update 1

vSphere 7初となるメンテナンスリリース「vSphere 7 Update 1」が発表されました。主なUpdateとしては、「Developer Readyなインフラ」「さらなる拡張性の追求」「運用の簡素化」が挙げられています。

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「Developer Readyなインフラ」としては、vSphere with TanzuによりKubernetesを陣子息かつシンプルに展開できることです。

「vSphere with Tanzu」で、Tanzu Kubernetes Cluster(ランタイム)をサポートし、分散仮想スイッチとTanzu Kubernetes Gridを連携するようになりました。ただし、このモードでは、vSphere Pod機能は利用することができないのでご注意ください。

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拡張性については、仮想マシンのメモリが最大24TB、vCPUが768までサポートされ、クラスタ当たりの最大ホスト数が64から96に増えました。

vSANでは、コンピュートとストレージのリソースを分離する「HCIメッシュ」機能が追加されました。これは、今までクラスタ内でCPU、メモリ、ストレージなどを共有していたところ、他のクラスタのストレージに空きがあれば間借りできるようになったということで、以前から実現してほしいと思っていた機能が今回実装されることになったので待ちに待ったという感じです。

VMware Cloud on AWS

従来のオンプレミスからクラウドサービスと連携した「ハイブリッドクラウド」を実現するため、AWS、Azure、GCPなど様々なパブリッククラウドの選択肢がありますが、皆さんが知っているところでは、「VMware Cloud on AWS」ではないでしょうか。同サービスでは、AWSのベアメタル上でVMwareのワークロードを動き、ワークロードをオンプレミスの環境とAWSの間で柔軟に移行することが可能になっています。

今回、「VMware Cloud on AWS」において、I3en.metalインスタンスが利用可能となり、従来型のI3.metal インスタンスと比較して、CPU能力やRAMの容量が向上しています。

さらに、ホスト数の最小要件が2ホストからに変更されました。これにより、従来の約30%減でVMware Cloud on AWS が利用可能になるとのことです。

Azure VMware Solution

 今回の発表で非常に待ち遠しいソリューションが、「Azure VMware Solution」です。これは、VMware Cloud Foundationベースのマネージドサービスで、まだ日本では提供されていないのですが、近いうちにリリースされるとのことです。

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すでに海外ではリリースされており、Windowsとの親和性も高く、Microsoft365が動いている基盤もAzureであるため、同プラットフォームでの連携はパフォーマンス的にも期待できるのではないかと思います。

 

 ネットワーク、セキュリティ、マルチクラウドと少し偏りのある紹介となりましたが、この他にも、VMware Tanzuに関するパートナーシップの拡大やCarbon Black Workloadの6か月間無償提供などの発表がありました。

買収や開発を続け、常に成長していくVMwareさんはすごいですね。今後の機能拡張が楽しみです。

ということで、今日はこの辺で。