NSXALBのコントローラーは1台でも動作しますが、停止してしまうと設定変更が一切できなくなってしまい、障害等で復旧できない状態となると、リストアするまで一切の変更ができなくなります。
このことから、コントローラーの可用性を上げる方法として、3ノード構成のコントローラークラスターが推奨されています。
クラスターを設定でクラスターIPを付与すると、リーダーが1台選出され、クラスターIP接続のARPにはリーダーが応答します。
残りの2台はフォロワーとなり、リーダーが何らかの理由で停止した場合、フェイルオーバーしてリーダー機能を引き継ぎます。
設定変更した際の情報は、リーダーのデータベースに保存され、定期的にフォローのデータベースとレプリケーションして同期をとります。
なお、クラスター化する場合は、3台のコントローラーは同一のブロードキャストドメインに接続され、かつ、3台のコントローラー間のレイテンシーが10ms未満である必要があります。
構築範囲
クラスターに追加するコントローラーのデプロイ
クラスタ構成のコントローラーは以下の3台で構築していきます。
avi55:192.168.1.55
avi56:192.168.1.56(最初に構築したコントローラー)
avi57:192.168.1.57
avi55、avi57をOVAファイルからデプロイしていきます。手順については、以前のブロクで紹介しているので参考にしてください。
avi55、avi57はアカウント作成、DNS、メールアドレス、テナントの初期設定が完了した状態となっています。
クラスターの構築
ここからは、メインで設定をしていたavi56で設定を行っていきます。
[Administration]-[Controller]‐[Node]から画面右上のEditを選択します。
Controller Cluster IPとして192.168.1.54を入力し、Cluster Nodeで[Add]を選択します。
追加するavi55ののIPアドレスとadminアカウントのパスワードを入力しSAVEします。
同様にavi57も登録したらSAVEします。
SAVE後、2~3分経過するとController Initializingに表示が切り替わり、Cluster構成に切り替わります。
Initializeが終了したら、Cluster VIPの192.168.1.54で接続し、[Administration]-[Controller]‐[Node]を参照すると、リーダーが1台、フォローワーが2台構成となっていることがわかります。
これで、コントローラークラスターの構築は完了となります。
コントローラーの1台障害であれば、リーダーのフェイルオーバーによりフォロワーにアクセスし、継続してコントローラーに接続可能となります。
2台障害の場合は、コントローラーには接続できなくなるため、最低1台を復旧させる必要があります。
3台とも復旧不可能となった場合は、コントローラーを再デプロイし、バックアップファイルからリストアする形となります。この場合は、サービスエンジンも再構築されるため、復旧は結構大変です。
バックアップリストアについては、また後日紹介したいと思います。22:15