今年はサンフランシスコ開催となった、VMware社の年次カンファレンスである「vmworld 2019」が8月25日から始まりました。今年で16回目の開催となる本イベントのテーマは「Make Your Mark」ということで、爪痕残す、成功するという意味があることから、参加者の皆様がデジタル時代にマルチクラウドに精通したテクノロジストとしてこれからの年をさらに成功するきっかけとなる場となってほしいという意味を込めたとのことです。
vmworld直前に、PivotalとCarbon Blackの買収があったことから、この辺のソリューションを絡めたメッセージが出されるのかなと思っていますが、詳細は後ほどご紹介します。
PivotalとCarbon Blackの買収
PivotalはDell Technologiesグループ企業の一つで、マイクロサービスやコンテナ技術など特にクラウドネイティブ関連の製品やサービスを市場投入し、この分野におけるリーディングカンパニーです。
また、Carbon BlackはEndpoint Detection Response (EDR) のグローバルリーダーで、クラウドのビッグデータ解析などを活用した次世代のエンドポイントセキュリティを提供する企業です。
この2社の買収により、VMware のビジョンと製品ポートフォリオは大幅に強化されました。
Kubernetesベースのアプリ開発を支援する「VMware Tanzu」の発表
買収の話の後、Kubernetes関連として「VMware Tanzu」が発表されました。Kubernetesは、DeveloperとIT管理者の両者をつなぐものであり、それをエンタプライズレベルで実現するのが「VMware Tanzu」であると位置づけており、具体的には3つのコンポーネントに分けて説明がありました。
まずは、Buildという観点で今年買収を発表したBitnamiと今回買収を発表したPivotalを位置づけ、モダンアプリのBuildの効率化を図ります。
次に、Runでは「Project Pacific」を発表し、VMware vSphereとKubernetesのネイティブレベルのインテグレーションを行うことが発表されました。これにより、最も信頼性のあるプラットフォームであるvSphereをクラウドネイティブアプリケーションでもプラットフォームとして活用できるようになります。
最後に、Manageでは「Tanzu Mission Control」が発表され、パブリッククラウドからオンプレミスまでの複数クラウドをまたいでKubernetesクラスタを管理できるSaaSとして紹介され、パブリッククラウド間のサイロ化を解消するテクノロジーとなることが期待されます。
2020年Q1に「Azure VMware Solutions」の日本リージョン提供予定
「Azure VMware Solitions」はMicrosoft社とCloudSimple社によって提供されるAzure上でのCloud Foundationサービスで、Azureネイティブでサーバを構築するのではなく、Azureのインフラ基盤にvSphereの環境が構築されるものになります。
これにより、オンプレ環境の仮想マシンをAzure上にvMotionすることができ、環境によっては無停止での移行も可能です。
今回のこのサービスが2020年のQ1に日本リージョンでリリースされるとの発表がありました。
個人的には、日本のECサイトを運営しているお客様は、AWSよりもAzureを好む方が多いため、本サービスのリリースが待ち遠しいです。
引き続き、ゼネラルセッションの続きは次回ということで。