ネットワークエンジニアのITブログ

長らくネットワークで生活してきましたが、ここ数年クラウドとサーバー系に触れる機会が増えて、日々成長しています。最近のお気に入りはNSXALBとGoogle Cloud。

Azure VMware Solutionの5つの価値②

前回まで、AVSの5つの特徴の3つ目まで紹介して来たので、今日はその続きになります。では、4つ目のコスト削減から説明していきます。

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4.コスト削減

4つ目の特徴であるコスト削減を紹介していきます。

AVSの基本的な料金の考え方は、ノードごとの時間課金モデルになっています。

なので、例えば普段5ノードのESXを動かしていて、リソースが足りなくなったので、6ノード目、7ノード目を追加します。そしてビジネスの需要がある程度落ち着いたらそれらを削除すると、実際に稼動させた分の価格だけが、かかってくるような形になります。

そのため、オンプレミスの時に比べると、だいぶ柔軟性のある価格、ライセンス削減といったことができるのではないでしょうか。

加えて、AVSではAzureファミリーとしての大きな得点が2つあります。

①拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)の無償提供

まずは拡張セキュリティ更新プログラム、通称ESUと言われるものになります。

Windows Server 2008R2、SQL Server 2008 R2は、いずれもすでに正式なサービス、サポートは終了していますが、まだ多くのお客様でこれらのサーバを動かされているといった実態を踏まえて、サポート終了日から3年間限定でセキュリティパッチを提供するといったプログラムが提供されています。

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通常は有償のサービスになりますが、仮にそのリソースをAzureファミリー上で動かした場合、これが無償で付いてくるといった特典があります。

Azureファミリーというのがポイントで、IaaSで動かしているのはもちろん対象になりますが、AVS上の仮想マシンも対象になってきます。

なので、あともう少し長く使いたいといったWindows 2008 ServerやSQLServerがあるときには、AVSに引越しすれば、セキュアな環境が安価にかつ実質無償で提供できるといったところが非常に大きなポイントになるのではないでしょうか。

②Azure ハイブリッド特典をAzure Dedicated Host に拡張

そしてもう1つの大きな得点がAzureハイブリット特典というものになります。

こちらの特典は、かなり複雑な仕組みになっているので、なかなか一言ですべてを紹介するのが難しいのですが、すごく簡単にいってしまうと、現在オンプレで利用しているWindows ServerやSQL Serverのライセンスを、ある意味持ち込みのような形でAVSでも利用することができるようになります。

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通常パブリッククラウド内のVMware環境で例えばWindowServerを動かしたいといった場合は、上のWindows Serverごとに個別にスプラーという形で追加のライセンスが発生してしまうのですが、AVSを利用する場合に関しては、適切なWindows Serverライセンスを持っていれば、別途ライセンスを買うことなくWindows Serverを動かすことが可能になるといったモデルになります。

この辺はある程度の数がある場合に、コスト削減効果が出てくるかなと思います。実際、利用の際には事前に確認してください。

③予約インスタンス

ここまで2つについてライセンスメリットを紹介しました。

最後3つ目はAWSなどでもよくあるケースではありますが、先ほど紹介した時間課金のモデルももちろんありますが、長期間利用することをコミットした場合に、ぐっと単価を下げてこのAVSをご利用することが可能な予約インスタンスといったものが提供されています。

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こちらは、例えば3年間のコミットした場合は、実質このPay as You Goのモデルよりも50%割引で利用できるようになっているので、ある程度長く使うことを決められているケースでは、こちらを使っていただいたほうがいいでしょう。

5.一貫性

 最後5つ目の一貫性というところをご紹介します。

AVSはその特徴の1つとしてMicrosoftが提供するファーストパーティーソリューションですよというところが挙げられます。

これは、例えばサポートそれからライセンスという観点に関しても言えるようなっています。

ライセンスの観点で言うと、VMwareのいろいろなライセンス、vSphereとかvcenterとか、そういったものも含まれる形で、Microsoftから提供する形になっていますので、別途、VMware側からライセンスを調達する必要がないといったところがまず挙げられます。

同じことがサポートにも言えまして、このサービスをご利用する上でのサポート窓口は、Microsoftという形になっています。

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通常何か問題があると、その問題が例えばインフラやデータセンターの問題なのか、あるいはVMwareのSDDCのレイヤの問題なのかといったところの切り分け作業に関しては、お客様のほうで実施してもらう必要があると思うのですけれど、AVSの場合は、そのどちらもMicrosoftが管理している部分になるので、何か問題があった時には、とにかくまずAzureのポータルからサポートに問い合わせれば、切り分け作業から含めてMicrosoftが責任をもって、対応するというモデルになっています。

当然、サポートのほうで調査した結果、Microsoftだけでは解決できず、VMwareのサポート支援が必要になるケースもあるかなと思います。

ですが、その場合も、MicrosoftのサポートとVMwareのサポートが直接連携をして、一緒に問題解決にあたって、その結果をMicrosoftが窓口としてお客様に回答するといったモデルになっていますので、サポートという観点でも一貫性をもって対応できるようになっています。

 

以上、ここまでがAVSの5つの特徴について紹介しました。