ネットワークエンジニアのITブログ

長らくネットワークで生活してきましたが、ここ数年クラウドとサーバー系に触れる機会が増えて、日々成長しています。最近のお気に入りはNSXALBとGoogle Cloud。

「VMware Cloud Disaster Recovery」が東京リージョンで提供開始

VMware Cloud Disaster Recovery(VCDR)が2021年1月21日に、アジア太平洋(東京)のAWSリージョンでも利用できるようになりました。

https://docs.vmware.com/en/VMware-Cloud-Disaster-Recovery/services/rn/vmware-cloud-disaster-recovery-release-notes/index.html

 

この機能は、ざっくり言うと、DRサイトをオンデマンドで展開できる斬新的なサービスになります。

今まで、DRといえば、メインシステムが動いているデータセンターとは物理的に離れた場所に、メインシステムと同様のシステムを構築しておき、災害発生時にシステムを切り替えるというものでした。

クラウドのサービスを利用すると、メインシステムが東京で、DRシステムは大阪リージョンに設置し、通常時は、サーバをシャットダウンしておき、ストレージだけレプリケーションしておくというような構成が一般的だったかと思います。

ただ、これらの方法は以下のような課題があり、ビジネス継続性の重要性と、実際の対策の間には大きなギャップがありました。

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VMware Cloud Disaster Recoveryとは

クラウドを活用した災害対策ソリューション(DRaaS)で、vSphere仮想マシンVM)をクラウドで保護し、VCDRを使用してVMware Cloud on AWSリカバリします。VCDRは、Datriumで開発されたスケールアウトクラウドファイルシステムテクノロジーに基づいて、バックアップをクラウドストレージに保存することで、ディザスタリカバリを実施する場合にのみ、リカバリホストの容量を支払うというような料金体系で従量課金によるコスト最適化が実現可能です。

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もう少し詳細に見てみると、通常時は、青で囲まれた保護サイトのVMが稼働しており、その情報をクラウドサービスにレプリケーションしています。災害発生時は、クラウドサービスからリカバリサイトをオンデマンドで展開し利用可能な状態に切り替えます。

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VMware Cloud Disaster Recoveryのメリット

  1. 大規模な設備投資が不要となる
    従来のようなリカバリサイトの常設は不要。
    従量課金により必要な時に、利用料に応じた従量課金である。

  2. 運用の属人化とヒューマンエラーを回避できる
    DRプランを事前に提示議しておくことで有事の際のオペレーションを極小化。
    オペレーションの定型化により属人化を回避。

  3. 安全で確実な災害対策を実現できる
    定期的にコンプライアンスチェックが可能。
    フェイルオーバーテストが実行可能。
    レポート機能により監視記録として活用可能。

 

リカバリサイトはAWSとなりますが、コスト削減をしつつ、従来よりも簡単にDRサイトが準備できるという面では、利用しやすいサービスだと思います。
ただ、1点今後のリリースに期待したいのは、VMCもVCDRも東京なので、大阪も対応してほしいというところですかね。

いずれにせよ、選択肢が増えたというのは、我々、SIerやお客様にとってはよいことですね!!